Made in KOBE / 神戸で作り、神戸で循環する家具
S型 キャビネット(元下駄箱)| ナラ材・1970年代
約50年以上前に、当店で下駄箱としてお作りしたキャビネットです。あるお住まいの玄関で、毎日、家族の靴を迎え入れてきた家具――その長い勤めを経て、いま再び当店へと戻ってきました。
半世紀を超える家具が、次の暮らしへ
50年以上の時を経ても、家具の骨格はしっかりと生きています。丁寧に作られた家具というのは、時を重ねるほどに、その造りの確かさが浮かび上がってくるものです。この一台も、当時の職人が誠実に組み上げたからこそ、半世紀後の今もこうしてかたちを保ち、次のお使い手を迎えられる状態にあります。
次の暮らしのなかで、この家具が担うのは、もう「下駄箱」だけではありません。用途を読み替えながら、これからさらに何年、何十年と使い続けていただけるように――職人の手で、丁寧に仕立て直しました。
下駄箱として、書棚として、何にでも使える一台
内部までしっかりと綺麗に整えてあるため、下駄箱としての本来の役目はもちろん、書棚や書類収納、リビングの小物入れ、キッチンの雑貨収納など、用途を選ばず自由にお使いいただけます。
玄関に置けば、下駄箱として。当時と同じ役割で、また新しいご家庭の玄関を守ります。
書斎やリビングに置けば、本や書類を収める書棚として。W950×H995mmという寸法は、書棚として置いても圧迫感がなく、リビングにも自然に馴染みます。文庫本、単行本、雑誌、A4の書類――さまざまな判型のものをまとめて収められる、程よい大きさです。
キッチンやダイニングに置けば、食器や食品ストック、雑貨をまとめる場所として。扉付きの収納なので、見せたくないものも綺麗にしまえます。
「これは〇〇のための家具です」と用途を決めてしまわず、暮らしの中で自由に読み替えていく――それは、長く付き合える家具の醍醐味です。
永田良介商店の象徴的な意匠
この一台には、永田良介商店で長く受け継がれてきた象徴的な意匠があしらわれています。当店で家具を長くご愛用いただいているお客様には、扉の造形や引手の据わり、面取りのかたちなど、細部に「ああ、これは永田良介商店の家具だ」と感じていただける表情があるはずです。
意匠は、装飾のためだけではありません。長く見続けても飽きない造形、手に触れるたびに心地よい面のかたち、扉を開けたときに感じる骨格の確かさ――これらすべてが積み重なって、「永田良介商店の家具」という佇まいが生まれます。半世紀を経ても、その表情は色褪せていません。
下部の引き出しが、こまごまとしたものに居場所を与える
本体の収納に加え、下部には引き出しも備わっています。大きな収納だけでは行き場を失いがちな、細かなものたちに定位置を与えられる――それが、この引き出しの役目です。
下駄箱としてお使いになるなら、靴磨きの道具や靴ベラ、季節外の靴下、鍵の予備など。書棚としてお使いになるなら、文房具や名刺、印鑑、細かな書類。キッチンでお使いになるなら、輪ゴムやクリップ、レシピメモ、キッチンばさみなど――「大きな収納」と「小さな収納」を一台で兼ね備えていることが、日々の暮らしを驚くほど整えてくれます。
職人による修復
1970年代に当店で手掛けられたこの一台は、半世紀の時を経て、再び当店へと戻ってきました。次の暮らしのなかで、また長く使い続けていただけるよう、職人が一つひとつ丁寧に手を入れています。
塗装の塗り替え:古い塗装を一度すべて剥離し、十分に乾燥させたうえで、再度塗装を施しています。ナラ材の表情が、墨ぼかしのワックス仕上げから静かに浮かび上がります。
合板の張り替え:天板や側板の合板にめくれや浮きが見られた箇所は、合板を張り替えています。
建付けの調整:抽斗や扉のがたつき・反り・ふくらみを調整し、スムーズに開け閉めができるようにしています。
引手の交換:古くなった引手を取り外し、新しいものへ交換しています。毎日触れる場所だからこそ、手に馴染むものへと整えました。
50年以上使われてきた家具を、これから先も何年もお使いいただけるように――それが、当店が修復を続ける理由です。使い捨てられる家具ではなく、繋がれていく家具として。この一台にも、その願いを込めて手を入れました。
仕様
サイズ
W950 × D415 × H995 mm
素材/仕上げ
ナラ材/墨ぼかしワックス仕上げ
製造年代
1970年代(下駄箱として製作)
用途例
下駄箱、書棚、書類収納、リビングの小物入れ、キッチン雑貨
収納
扉付き本体+下部引き出し
展示場所
神戸元町本店
配送
らくらく家財宅急便(Cランク)
※アンティーク・一点物のため、経年による小傷や使用感が見られる場合がございます。それも含めて、長く使われてきた家具の味わいとしてお楽しみください。